ホームレスの3人に1人が肥満、太っていても栄養不足 米
(CNN) 米国内のホームレスのうち、3人に1人近くが「肥満」に該当するとの研究結果がこのほど報告された。ホームレスという言葉から連想するやせ細った姿とは程遠い数字になった。
都市衛生の専門誌JUHに掲載された研究をまとめたポール・モンゴメリー氏は、「肥満の問題は最も貧しい層で最も深刻になっている」と指摘する。
モンゴメリー氏によれば、肥満と栄養不良は同時に起きることがある。人間の体は飢餓状態が続くと、カロリーをできるだけ効率良く、脂肪の形でため込もうとする。路上生活によるストレスや睡眠不足も、肥満の要因となる。また、健康的な食べ物を選ぶ余裕がないため、保存料や塩分、脂肪、糖分などの多い不健康な食生活を続けるケースが多い。たとえ新鮮な野菜が手に入ったとしても、保存したり調理したりする手段がない。結果として「飢餓と肥満のパラドックス」と呼ばれる問題が生じると、同氏らは分析している。
マサチューセッツ州ボストンのホームレス支援事業で診察を受けた成人5632人を対象に、体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割った体格指数(BMI)を調べたところ、32.3%がBMI30を超えて肥満と判定され、同25を超える「太り過ぎ」と合わせて3人に2人の割合に達した。
40以上の「重度の肥満」に該当する人は5.6%、25以下の「正常」は32.6%だった。「低体重」の判定は1.6%にとどまった。男女別にみると、肥満の割合は女性が42.8%と、男性の29.7%を大幅に上回っていた。
http://www.cnn.co.jp/fringe/30006751.html